食品偽装
最近、食品の偽装のニュースが続いています。有名なホテルレストランが偽装を自主的に報告して社長が辞任するなど、社会的に大きな影響をおよぼしています。なぜこのような食品の偽装が簡単に発生してしまうのでしょう。そこには大きく4つの理由があります。
2013年10月28日夜、メニュー虚偽表示問題で記者会見し謝罪する、阪急阪神ホテルズの出崎弘前社長。この記者会見で社長辞任の意向も表明した
2013年10月28日夜、メニュー虚偽表示問題で記者会見し謝罪する、阪急阪神ホテルズの出崎弘前社長。この記者会見で社長辞任の意向も表明した
1つ目は、偽装が意外に簡単だということ。最近の水産物は冷凍技術の発達によって、海外で生産していても、非常によい状態で国内に入ってきます。そのため海外産のものを国産だと偽装しても、食べたときに容易にはわかりません。おいしさという点はあんまり変わらないことも多く、なかなか気づかれないのです。
もっとも、国産でしっかり品質管理したものは当然けた違いに品質がよいので、わかる人には一発でわかります。しかし、焼いたり煮たりした上に、濃いソースなどがかかると、なかなかわからないかもしれません。
また消費者が、味とは関係なくてもプレミアムを感じることも原因の1つでしょう。品質に差がなかったとしても、生産者の努力やストーリー性といったところに価値を感じることもあるでしょう。
「消費者をだます企業」の烙印
2つ目は単純で、同じようなものでも、産地や種によって価格が全く異なるということです。この価格差は、原価を抑える上で一見、大きな効果をもたらします。偽装する会社にとっては、偽装が単純なもうけの動機になってしまうのです。
しかし偽装は、消費者をだましているわけで、決してやってはいけない行為です。一度でも行うと、現在も将来も「消費者をだます企業」という烙印を押されます。だからこそ、社最高責任者である社長をはじめ、経営陣を総入れ替えするような苛烈な改善を行わざるを得ないのです。
3つ目は法的な理由です。レストランなどで出される外食の料理は、法的には表示義務がやや緩いと言えます。もちろん偽装してはいけませんが、原材料の産地を表示しないといけないという義務も明確にはありません。
この点は、小売店で売られている商品に産地表示義務があるのと大きく異なる部分です。とはいえ、小売の現場でも偽装が発生しているので、他にも大きな理由があるといえます。
4つ目はその最大の理由です。それは消費者側がそのものをよく知らない、ということです。食品の産地や原材料の偽装は今始まったことではなく、むしろ過去の方が多く行われていた可能性があります。消費者がそもそも識別できないので、偽装してもバレない、という状況になりやすいのです。
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