エイズの歴史

エイズの歴史

エイズ(後天性免疫不全症候群)とは、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)の感染によって引き起こされる疾患です。便宜上「エイズウイルス」などとも呼ばれたりします。

この疾患は前世紀の後半、謎の疾患として、1980年代に確認され、同性愛者に多くその症状が発生したことから(ホモシェクシャルの場合、性交類似行為(特に肛淫)の際、出血をともなうことから感染のリスクが飛躍的に上昇します。)、キリスト教社会においては、聖書の禁ずる同性愛に対する天罰などという噂が広まり、感染者に対する偏見を助長する結果となりました。

この疾患は根治する方法は現代医学でも確立されておらず、世界中で感染の増加が続いています。ただ、発症を抑える薬剤の開発もかなり進歩しており、エイズに関して偏見を払拭し、この病と向き合うべき時代となりました。

このエイズは、性行為感染症の一種として、カテゴライズされていますが、通常のスキンの着用などでかなり感染を防ぐことができ、これを奨励して感染の拡大を防いでる地域もある一方で、発展途上国などでは、貧困等の理由から感染予防の政策が十分になされておらず、世界的な感染防止の啓蒙が必要とされている現状です。

少し、極端な例でいえば、アパルトヘイト廃止後、治安の悪化した南アフリカ共和国では、処女をレイプすれば、エイズが完治するなどの根も葉もないうわさが広まり、それも大きな一要因として感染者が人口に占める割合が極めて高い状況となっているとの報告を聞いたことがあります。

感染を知った上で性交などに及んだら罪になるのか

国内の現状を見れば、当初は性行為による感染よりも凝固因子製剤による感染が多数を占めていたものの、現在は性行為等の感染が拡大し、他の先進国では感染率が低下しているのに対し、日本では増加傾向にあります。

現在は、匿名でエイズ検査を受けることができ、自分が感染者であるかどうかを知るのは容易です。しかし、そこで、陽性の反応が出て、自ら感染者であることを知った上で、性交や性交類似行為に及んだ場合はいかがでしょょうか。

エイズに関する知識が十分でなかった時代、米国では警官にエイズ感染者が唾を吐きかけただけで殺人未遂で逮捕されたというニュースを聞いたことがありますが、現代ではそのような解釈は到底不可能でしょう。

しかし、疾患の感染を意図して、または感染の可能性を知りながら、あえてそれでもよいと考え(未必の故意)、性交等に及んだ場合には、エイズも疾患である以上、人の生理機能に障害を与えること、または人の健康状態を不良に変更していることは間違いなく、刑法204条の傷害罪の成立は間違いのないところです。

相手が死亡したらどうなる?

では、感染させられた者が死亡した場合、刑法205条の傷害致死は成立するでしょうか。

これは、死亡とエイズの間の因果関係の問題となり、エイズの場合、発症としては、カンジダ症等の特定の症状が発生したことで認定されますから、これら特定の症状により死亡した場合には、因果関係は容易に肯定できるものと考えられます。

免疫力の低下により多様な症状が発生するのでエイズ発症の定義とされる特定の疾患以外のによる死亡の場合には、因果関係がかなり微妙な場合もあり得るでしょう。

潜伏期間が大きな問題に

そして何より問題なのは、エイズ感染から発症まで5年から10年かかるといわれ(最近は3年程度での発症の例が多数報告されています。)、エイズを感染させたことにより、傷害罪のみで刑が確定した場合、その後に、感染者が薬を飲まないで発症した場合などは、傷害致死の刑事責任を追及できないことになりかねないことです

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