宗教法人と「カネと欲」

山深くに建つ寺は、あきれるほど世俗の垢(あか)にまみれていた。開運商法で得た所得を隠し1億円以上を脱税したとして、大阪市の開運グッズ販売会社元幹部らが大阪地検特捜部に逮捕、起訴された。元幹部らのグループは寺を所有する宗教法人を買収し、逮捕直前まで開運ブレスレットの販売や祈祷(きとう)サービスなどの怪しすぎる開運商法を展開。法外な請求を消費者側に突き付ける一方、仲間割れによる金銭トラブルを司法の場にまで持ち込んでいた。宗教法人とは名ばかりの「カネと欲」だけで結ばれた内部の人間模様が、事件を通じて明らかになった。

宗教の壁、脱税で突破

 「縁結び祈願 縁切り祈願」

 三重県菰野(こもの)町の近鉄湯の山温泉駅で下車し、駅のすぐ脇に掲示された案内板に従って山道を登ること約700メートル。突き当たりで2体の仁王像の出迎えを受ける。周囲には宿泊施設や民家が点在するものの、人影はほとんど見当たらない。そばの川の流れだけが響く閑静な霊場「福富寺」が、グループの活動拠点となった。

 法人税法違反容疑で逮捕、起訴されたのは、開運グッズ販売会社「アドライン」(解散)の元実質経営者、河本大介被告(34)ら4人。福富寺の元檀家(だんか)総代の男性も逮捕されたが、後に起訴猶予となった。起訴状によると、4人は平成22年4月~23年10月、福富寺からの架空仕入れを計上する手口で、アドライン社など2社の所得約3億7700万円を隠し、法人税約1億1千万円を免れたとされる。

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