美容医療トラブル
避けたい美容医療トラブル 複数の医療機関に相談、医師の経歴確認も必須
「きれいになりたい」「コンプレックスを解消したい」。そんな思いをかなえる手段として近年、美容医療に対するニーズが高まっている。一方で美容医療には負のイメージもつきまとう。治療に伴う事故や高額な費用をめぐるトラブルが後を絶たないためだ。どうしたら安全、安心な美容医療を受けられるのか。専門家は「広告やネット情報をうのみにせず、適切な治療を行う医療機関や医師を見極める目を持ってほしい」と話す。
モニター割引
中部地方に住む20代の女性Aさんは昨夏、都内の美容外科クリニックを受診した。希望したのは両目のまぶたを二重にする手術。ところが医師は「二重の手術だけだとバランスが悪くなる。頬のたるみを引っ張り上げるフェースリフトも受けた方がいい」と勧めた。提示された手術費用は全部で350万円。しかし、その日のうちに手術を受け、手術前後の写真がクリニックのホームページに掲載されるモニターになれば、85万円に割り引くという。押し切られる形で、Aさんは手術に同意してしまった。
「埋没法」という二重の手術に加え、皮下に特殊な糸を入れるフェースリフト手術を受けた。だが、術後にひどい頭痛や傷痕周辺の腫れが生じ、いつまでも治らない。地元の病院で抗生物質を投与されて症状は軽減したが、今も側頭部に痛みが残っている。
Aさんのケースについて、ある美容外科医は「フェースリフトでの引き上げ過ぎや、化膿(かのう)が考えられる。そもそも20歳そこそこの女性にフェースリフトが必要なのか」と疑問を投げ掛ける。
ガイドライン
こうしたトラブルは珍しくない。国民生活センターによると、平成20年度から24年度まで、美容医療に関する苦情や相談は1500~1900件ほどで推移。毎年ほぼ半分を「販売方法や広告などの問題」が、5分の1~6分の1を「体への危害」が占めている。
特にトラブルの元になるのが、患者にとって最大の情報源である医療機関のホームページ。派手なセールストークや割引を強調した料金表示、真偽が定かでない手術前後の写真に誘われて受診する患者が少なくない。
国はガイドラインを設け、ホームページ上の不適切な表現や、バナー広告からホームページに誘導する手法などを規制しているが、順守されているとは言い難い。
美容医療の大半は自由診療で、健康保険が適用されない。料金設定や治療法は医療機関によって大きく異なる。素人には何が妥当か判断しにくいが、トラブルを避ける方法はあるのだろうか。
経験不足
「最も重要なのは、初診当日には手術を絶対に受けないこと。どんなにしつこく勧められても、必ず数日置いて、医療機関の言い分が本当かどうか確かめてほしい。複数の医療機関に相談して比べることも大切」と、美容医療の適正化を目指す日本美容医療協会の西山真一郎常任理事は話しています。
トラブルの解決は、アイ総合コンサルタントへご相談ください。
※無料相談はしていません。