遺産トラブル

遺産トラブル

財産に借地権や貸地(底地)がある場合、相続税の納税と、遺産分割でトラブルになることが多い。第三者の権利が絡むため、短期間で思うように換金できないからだ。建物の建設を目的として賃料(地代)を支払い、土地を借りている状態が借地権である。反対に貸している土地を底地と呼ぶ(本来は借地権付きの土地の所有権)。

借地権と底地の関係は、ティーカップをイメージすると分かりやすい。カップが借地権、ソーサー(受け皿)が底地である。カップとソーサーをセットで所有していれば売りやすいが、別々になれば売りにくく、価格は下がる。それでも、カップは器として紅茶をいれる使い道がある。借地権は建物を建設して使うことができる。

しかし、ソーサーだけでは使い勝手が悪い。所有者は底地を自由に使って収益を上げることはできない。したがって、底地が多いケースでは、

事前の相続対策が重要になる。

被相続人(父親)が所有する900坪の土地のうち、600坪を30軒に貸地していた事例がある。残る土地は、長男が経営する工場と自宅だった。これらすべての土地の評価額は6億円になった。貸地が3億円、工場と自宅が3億円だ。相続税額は、母親の二次相続を含め9000万円と計算された。長男は、この税額に驚いた。一方、長男を除く4人の弟妹は、長男が6億円をどう分割してくれるか期待した。

評価額と同じ価格で売却できるのは工場と自宅だが、これを売れば母親を含む長男家族の生活が成り立たなくなる。納税資金と分割資金が用意できない状態になったのだ。弟妹は貸地の相続も考えたが、その地代は安価で、固定資産税を支払えば手元に残る現金が少ないことを知り、改めて現金を要求した。

長男はやむを得ず、貸地を売却することにした。貸地の売却は、その土地の借地人に買い取りを申し入れるのが一般的だ。しかし、30軒もの借地人に個別に交渉する時間はない。そこで、専門の不動産業者に売却した。価格は更地の10%程度だったが、これが相場だった。

借地契約は、その更新が20年、30年と長期のため、契約書が紛失するなど、契約時の経緯や条件があいまいなことが多い。また、法律が理解されておらず、簡単に解約できるとの誤解もある。借地権と貸地の相続対策は、緻密な計画と地道な交渉が必要になる。これには時間がかかるため、早期に着手したい。

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